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2014年5月 6日 (火)

宝島

久し振りに「宝島」を読んだ。
スティーブンソン作 阿部知二訳の岩波文庫。

こういう本は時々読まないとだめだなあと思ったね。もう最高だね。展開も緊密にして大胆、キャラクターも鮮明かつ複雑。
「ワンピース」や「パイレーツオブカリビアン」、またはそれ以外の海洋もの映画の原形がまさにここにある。船員を集めるくだりなんかは、「7人の侍」にも反映しているのではないかと思った。
これぞ、Roots & Fruitsである。
ここの緊密な造形を膨らませ、大仕掛けにして、更にリアリティを与えて提供するというスタイルが、現代のエンターテインメントの王道である。
だから、古典やオリジナルに接する必要があるし、オマージュしていかないと、今後の発展や飛躍がないのである。
・・・・・・・・・・・・・
今回、特に感じたのは、物語の展開には「破れ」が必要ということだ。
すべての人間が傾向としての「合理的経済人」であり、常に適正な行動をしているのなら何の展開もない。
この物語の主人公、ベンホー提督亭の少年ジム君の、少年らしい、ちょっとした無茶な行動が、すべての物語の起点になっていく・・・
つまみ食いしようとしてリンゴ樽の中に潜んでいたときに聞いた、シルヴァーの謀反計画。
味方の静止も省みず、一人で宝島に上陸してしまう行為。
置き去りにされた海賊、ベンガンとの出会い。
宝を探す海賊たちを惑わすための機転の利いた、財宝を隠した海賊フリントの声のものまね・・・
「序破急」とはこのことを言うと思う。
何か説明しきれない情熱というか、突き動かされるものによってすべてが始まっていくのだなあと感じた。
大体、類型的な人間なら、海賊にも犯罪にも誰も手は染めない。人間という生物は、自己中で、身勝手で、短絡的で、後悔ばかりしているものだと思う。
類型的な人間なんかいない。

本屋大賞受賞!の新刊本も楽しみだけど、子どものころに接した冒険譚を読み直すのも、これは愉しい!

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