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2014年3月28日 (金)

戦後史って・・・

最近、戦後を生き抜いてきた人の著作物に目を通す機会を持っているのは、仕事が影響していることに気がついた。
ようやく一段落してきたが、仕事上で行った、現代日本の矛盾を背負わされた方々との面談は、語ることができない種類のものが多かったが、300人以上の方と接したところ、ある種の共通点が見えてきた。

年配の方のひとつの典型は、雇用の調整弁のような働かされ方で心身の喪失を招いたということ。
戦争の影もしくは経済成長の歪が、確実に人を壊してきている。
現代の若い方も基本は一緒だ。雇用不安、営業不振、健康被害、家庭崩壊。
誰しもが陥ってしまう危険をはらむ。
国家の本質は、国民の安寧を目標としていないのではないか?というほどの無策ぶりだ。
なぜこうなってしまったのか?戦争とは何だったんだ?俺の年齢になっても謎ばかりだ。
そして、現在もこの悲惨な状態は、多く伝えられることもなく、徐々に進行し、日本の基部を壊し始めていているのではという思いを深くしている。
それでも人は生き抜かねば、ね。
・・・・・・・・・
姜尚中著「在日」を読んだ。
熊本の韓国・朝鮮人部落に在日韓国人2世として生まれ、在日としての生きてきたプロセス、家族のこと、自らのスタンスを率直に語る。
故郷を離れ、また、日本の中でもアイデンティティを確立できず、祖国の同胞同士が分裂し、自らの心も引き裂かれる。
母の時々起こった感情の爆発と自らのメランコリーの原因をここに求める。
俺は、読んで泣いた。
本を読んで泣くなんて・・・初めての経験だ。俺は仕掛けには乗らないタイプだと意地を張っている。
でも、気がついたら涙が出ていた。
自分の育った環境や、親世代が生きてきたプロセスに重なり合うものを見てしまったからでもあるし、姜尚中氏の抑制された深い知性と誠実な人柄に打たれたからでもある。
また、恐れ多くも、社会科学への関心の持ち方が、自分の選択とすごく似ていると感じてしまった。俺も故郷喪失者であり、社会や経済の仕組みが、人の運命に大きな影響を及ぼすという、当たり前のことをひどく意識した高校時代をすごしてきた。
俺は夢は見ない。現実を生き延びようと思ったのだ。
大塚久雄、マックスウェーバーを基礎に世界観を獲得しようという行為は、よくわかる。
官僚主義の分析こそ、今もっとも必要な研究課題だと思う。
多くの人は、メディアを通じて、6者協議を最重要と語る論客としての彼をイメージするだろう。
それは詭弁や小手先の言葉ではないのだ。長い時間をかけ、熟成した思考の吐露なのだ。
永野鉄男から姜尚中へ。ドイツへ留学。諮問押捺拒否。そして、メディアでの発言。
後衛、ノンポリを自称しながら、突き動かされるように戦後史に鋭く切り込んでいく。
今おれたち世代が何をしなければならないか?もしくは、何をしてはいけないか?
・・・・・・・・
おれは、心の中で、面談で出会った人々が放った言葉を反芻しよう。
そこで、何か気がつくかもしれない。

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