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2014年3月18日 (火)

開高健の25年

戦争に行ってきた人と、銃後に残った人の意識はぜんぜん違うとおっしゃる方と面談した。

日本舞踊に入れ込んでしまい、結婚もせず、子どもも得ないまま、齢82になってしまったとおっしゃるが、確かに危機的な状況をすり抜けてきた生涯と、散々周囲の状況を見てきたという説得力を感じた。
「戦争なんて、絶対にだめです。」と毅然とおっしゃる。
兵隊さんたちの上意下達の有無を言わさぬ暴力的態度が心底嫌いのようであった。
そうだろうなあ。
開高健の25年にわたるちょっとしたエッセイ、書評、コラムなど集めた本とも作品ともいえないものに目を通している。
全体から立ち上るアトモスフェールは、極限を見てしまった者の叫びだと思う。
20世紀は戦争の世紀だったんだとつくづく思う。
強烈な飢餓と勤労に従事させられていた学生時代。
尽忠報国を強いられ、信じていた価値観の大転換をも強いられる。
戦後のどさくさも突っ走るように生き抜いていく・・・
読書も、食べることも、旅行も、書くことも、渇きを埋めるかのごとくの勢いである。
そして、今の俺の年には、なくなっている。
苛烈だったんだろうなあ・・・極限の生死を眺めてしまい、その中に立ち上る真実と向き合いながら、文学と言う表現に昇華していく作業・・・
ここにでてくる、アウシュビッツの記憶もベトナムでの殺し合いも全部事実である。
俺たちはまだ生きなければならない。
3.11を経験し、汚染されたものを生み出し続ける近代の製造物を、その神官たちの行く末を、見続け、とどめなければならないと思うね。

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