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2013年5月21日 (火)

大説と小説2

3、小説の暗喩

この5人組と、つくるの年上の彼女は、何をメタファーとしているのだろうか?
それぞれのキャラクターを、西洋画のメタファーのように扱うことについては、あまり意味を持たないと思う。

青は勤勉、黒は情熱の象徴・・・とかね。嘘ですけど。
ここは探らない方が良いかもね。
くだらないことから言えば、この色を持つ五人組という設定は、何とか戦隊ゴレンジャーから思いついたのかな、と思う。
いやあ、この仕組みは鉄板だ。
ペンタクル、ペンタゴン、ペンタトニック、ハニカム構造やオリンピックまで、5だ。バランスがいい。
そして、多崎つくるは、白を襲った悲劇の真相を知り、過去の関係性も語られ始め、得心をし、巡礼を示唆した年上の彼女と向き合う。
結果は記されてはいないが、ここに希望を見るべきなんだろうね。彼女の元彼は何を表しているのかな?
・・・・・・・
核心をなす、白を襲った悲劇とつくるの排除は、明らかに、現代の得体の知れない暴力の象徴だと思う。テロ、戦争、恫喝、中傷、炎上・・・

4、小説の文体

この小説で、もっとも特徴的だと思ったのは、その文体である。
設定がリアルであることと同じぐらい、展開にリアリティがある。村上春樹って、こういう文章だったっけかなあ?
登場人物は皆、繊細ないい人なんだが、その行為に必然性を感じる。
周りに気を使い、言葉を選び、きちんと生活してるが、気がつかないうち、変わらざるを得なくなり、その理由、心理の動きに説得力がある。
ある種の推理小説のようにも見える。
うーん、この感覚、なんだろう?
思いついた!ハリーポッターかも!
うがちすぎかなあ?
あたらずとも遠からず。
・・・・・・・
この小説で、村上氏は変化したと見る。
変化は容易には受け入れられないのが常だ。
一般に熱狂を持って受け入れられるというより、コアな読み手に静かに支持されるタイプの小説かなと思う。
今後の彼の仕事の上で、重要なエポックとなるのかもしれない。

5、最後に

この小説は、悩める現代人への祈りと鎮魂歌なのかも知れないね。
「何でもあるは無いに等しく、何も無いは無限大である。」
こんなことを言いたくなった。自分でも意味不明だが・・・

蛇足

したたかな名古屋人は、まちおこしに、村上氏のこの小説を利用しようとするに違いない。
松山市の、「坊ちゃん」を利用したまちおこしの真似だけど。
つくる饅頭、名古屋駅つくるコーナー、黒焼きぐい呑、レクサスMURAKAMI、モデルの学校の石碑設置、巡礼ポイントツアー・・・なんてね。
ついでに映画化させて、フィルムコミッションを利用し、名古屋名所、名古屋飯、典型的名古屋嬢などを撮影し、この街の魅力を宣伝してしまおう!

・・・最後は名古屋論になってしまった・・・そう宣伝しなくてもいいか・・・

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コメント

私が学生の頃には、名古屋は無個性で中途半端、とよく言われていました。
ビビットであったり、パステルであったりと、絶えず流行の先端をゆく東京とも違う。
コテコテの虎カラーの大阪とも、純白の北海道とも違う名古屋は、無個性ゆえに「色彩を持たない」街と捉えられているのかもしれませんね。
「巡礼ポイントツアー」!!ぜ~ったい参加したいですね~!!
・・・そういえば、曽野綾子さんの「太郎物語」の青春篇も名古屋が舞台になっていましたね。友達と一緒に読んで、「あ~っ、あるある!」的な話をよくしていたことを思い出しました~^^

曽野綾子さんのご子息も南山大でしたね。
あるある話はおもしろいですね。
色を持たない=白い街、ゆえに名古屋、はありうるのかもしれませんね。
名古屋人だけでなく、日本人全体にいえますが、人からどうみられているのを気にするというところがあると思いますね。つくるもここで黙っちゃうかなあと思って読んでました。
俺ならがーんとその場で解決です。

巡礼ツアー当たりそうだな・・・ちょっと町おこしの引き出しにしまっておこう・・・

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