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2013年2月19日 (火)

奇天烈食道楽

久しぶりに図書館に寄れた。なかなか平日7時までに行くというのが難しいなあ。
5冊ほど借りてきた。またぼちぼちと大人の感想文を書いてみよう。

村松友視氏の「奇天烈食道楽」。
ぜんぜん奇天烈じゃあなくて、至極全うな食エッセイ。

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静岡県清水市で祖母と2人で暮らし、大学入学とともに東京に出て、出版社勤務を経て、作家となる。
この本は、雑誌「dantyu」に連載されたコラムをまとめた本で、なんかしみじみするんだなあ。「・・・であります。」と最後に村松節が出るのもいい。ちょっと投げやりな、しかし確信めいた箴言が潜む。
図書館でながめていて、ふと手に止まる。

・・・・・・・

「私、プロレスの味方です」と「時代屋の女房」は読んだ。
どっちも新鮮だったなあ。
俺も、プロレス大好きだったし、新日本プロレスの長州力、藤原辰彌、スタンハンセン、ブルーザーブロディ、ハルクホーガンなんかに熱狂していたからね。なんか世論のインチキだとかやらせだとかいう批判に、だからいいのだ的視点からの観戦論を始めて教えてもらったし、大人はすごいなあと思ったものです。
もうひとつは、サントリーのウィスキーのコマーシャルで、村松氏が居酒屋で飲みながら、「こういうお酒をね、鮎女魚(あいなめ)の煮つけなんかと一緒にやると、日本人でよかった!とほんとに思うね。」と語るバージョンがあって、ほんとおいしそうで、大人の男という感じがして、もう頭から離れなかった。
いやあ、忘れられないね。
実は、それまで、鮎女魚(あいなめ)という魚を食べたことがなく、なんとしても食べたいと思っていたのだが、早々出回らないし、結構高い魚なんだよ。
結局、釣って初めて食した。目張(メバル)とは違って、身がやわらかくて、小骨がちょっとある。
俺なんかだとこの水分を飛ばすために、焼くか揚げるかを選択してしまうが、この魚を身を引き締めながら、上手に煮付けられるのには、相当、熟練しないとだめかな、と思う。ここに精緻な日本の技があると思うし、村松氏はここを喝破したのではないか・・・と、勝手に解釈した・・・
読みながら、そんなことを思い出した。鮎女魚(あいなめ)、食べたくなってきた。

・・・・・・・・

この「奇天烈食道楽」を読むと、この人は、食をめぐるエッセイなのに、味について語らないことに気がついた。
状況や人を語る。
祖母と二人暮らしの質素な生活、竹の子のに皮に包んだ梅干しの果肉のすっぱさ、甘さに飢えて、サッカリンを水に溶かした溶液を苦さをこらえて飲んだ記憶、勤務先から帰る際についつい寄りたくなる飲み屋の話、作家舟橋聖一氏宅で初めて体験した冷製スープ、ヴィシソワーズのジャガイモの風味などなど。
氏は、食を触媒として、また小道具として配置して、世界を語るのだ。
こう書くと、反感もたれたり、ちょっとやらしさがでてしまうものだと思うのだが、そこがないね。
氏の鋭くも意地の悪さを感じない観察眼、コーディネーター的な違う要素を結びつける文章のうまさを感じる。
やっぱり、大人だなあ。
こんな風に文章書きたいねえ。

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コメント

私も静岡生まれでございます。
そう!竹の子をいただいたりすると、うちの母も必ず皮で梅干しをくるんで食べさせてくれましたわ^^
竹の子の皮が綺麗なピンク色に染まるんですよね。懐かしい~^^

主人がお店を始める前、海釣りをやっていた頃は、アイナメもよく釣ってきて、煮付けにして食べました。子どもたちも大好きでした。

村松友視さんのウィスキーのCM、「ワンフィンガー・・・ツーフィンガー」・・・でしたっけ?
本も面白そうですね^^

ありゃ、静岡でしたか!
温暖でいいところですなあ。
アイナメをはじめて釣ったときはやったと思いましたね。
takuも尺級を小学校2年ぐらいのときに2mぐらいの竿で釣りましたね。よく覚えています。
村松さん、かっこいいなあ。本もおもしろかったですよ。

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