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2012年12月13日 (木)

国家の品格

国家の品格
藤原正彦著
ちょっと、数学者の言い放題本だと誤解してました。
買う気にはならなかったが、図書館で借りてみた。

Cimg0815

愛国主義の鼓吹かなあと思って、避けてましたが間違っていた。
ただ、わざと誤読し、逆手にとって利用しようとする奴が出てくるかもね。
新書の系譜は、その道の泰斗が、一般に向けて解説を書いてくれたり、問題点を整理したりすることが大きな役割であると思っていたが、今は、ジャーナリスティックな視点からの現代の問題点の整理とその主張という傾向が強いね。
結局、情報が多すぎて整理しきれないんだ。
この著書は、「品格なき著者の国家品格論」と自嘲気味に語っているけれど、共鳴する部分が多かった。
この本は、グローバリズムと欧米流の「論理と合理」の市場原理を、日本にあわないと明確に排斥し、孤高の日本と「情緒と形」を再構築すべきという、世界史の中の日本の位置を示そうという心意気にあふれた本だと思う。
ここで誤解を避けたいのは、これはナショナリズム(国益主義)ではないということだ。
著者の言葉によれば、パトリオリズム(祖国愛)ということになる。
俺は、日本の風景や食べ物、自然を自分の大元だと思っているし、自然なことだと思っている。
著者は、この言葉を、情緒を示す日本人のメンタリティを世界に示すのに、使いたい言葉としている。
俺は共鳴する。
いくつか印象に残ったことなど記す。
国際人を作るには英語教育より読書が大事。
絶対そうだ!自分の国の歴史や文化に興味がなかったり、考え方がなければ、伝える意味がない。英語ぺらぺらでも中身が問題でしょう。
天才は美しいものを見ることによってはぐくまれる。
インドの「なぜそんなことを思いつくかわからない」タイプの大天才数学者ラマヌジャンは、壮麗な美しい寺院の近くに育ち、定理を思いつくとき「女神ナーマギリがおりてくる」そうだ。
美と情緒の重要性を示すエピソードだ。
武士道の見直し。
これも誤解されそうだが、支配階級の考え方だが、武士が貧乏だったことが重要なポイントで、新渡戸稲造が書いた「武士道」が日本の根幹たるべきとといている。
俺的に、すごく煎じ詰めていうと、卑怯なことをするな!ということだ。
卑怯なことは自分がやったものはわかるでしょう。みんな身に覚えがあるはずだ。
そういう意味では、よくわかる。
確かに、このメンタリティこそ日本が持つ良さだし、今言わねばならないことかもね・・・

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