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2012年6月 7日 (木)

釣り、根と実2

はじめてかけた鮎は覚えているね。天然遡上ものが結構いる川だったので、その個体もそうだったと思う。

真っ黒で背びれの発達した、野性味たっぷりの奴だったね。目つきが凶暴に感じたね。振り回されるほど引きずられ、たもに収めた瞬間、糸が切れた。
これか!と思った。この瞬間を逃さないため、準備できることをきちんとしないとこの釣りは成立しない。
この釣れた鮎を使えば、元いた場所に戻ろうとし、周囲の縄張り鮎とけんかになり、かかる。循環の釣りとはこのことをさして言うのだ。上昇スパイラルを描くか、負の連鎖に陥り、究極の-2匹という釣果に終わるかは、腕次第・・・
そうこうしているうち、「つれるかね?」と声をかけてくれたおじいさんがいた。かなりな年配だが足取りはしっかりし、年季の入った鮎釣りの服装をしていた。
「いやあ、ぜんぜん素人でだめですわ。」というと、ちょっと貸して、といって道具をみて、やおら釣り始める。いきなり連続で掛けはじめる。5匹ほど釣ったところでこんな感じだと返してくれた。
俺はたまげて、この瞬間、弟子にしてくれと頼んでいた。
四十九日の間、毎週土曜日ここでという約束をして別れた。名前も聞き忘れた。
その後姿が親父にも見えたし、親父の意思というものも感じたのだ。ばかげているかとも思うが、なにか運命的なものを感じてしまったのだ。俺はきっと鮎を釣ると。
その年、いろいろ教わった。今で思うと、瀬の引き釣りで、どんどん歩き、太い糸でどんどん抜いてしまい、掛け針はちらし。古きよき鮎の友釣りの究極の洗練の姿だった。
でも、できないのだ。囮がいうことを聞いてくれない。今だ通暁せず。悪戦苦闘中である。
今は、さらに複雑になってきている。
ソリッド穂先、メタルライン、鼻カン付け糸、編みこみ接続、4本いかり針に背針、どう締め、大おもり。
釣り方も泳がせ釣りに、引き泳がせ、群れ鮎崩し・・・などなど。
でも基本は、教えてもらったことにある。
川立て、時間、習性、囮を自然に縄張りにもって行くこと。
次の年から、もうその師匠の優雅な釣り姿は見えなかった。どうしたんだろうかなあ・・・
そして、河川工事。俺が縄張りマンションと名づけていた縦に縄張りがあった岩もなくなってしまった・・・もうずいぶん行っていない。
やっぱり、この釣りも全うしたいなあ。

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コメント

質問!鮎のいる場所と岩魚の釣れる場所は違うのですか?
「これは違うな!」と鮎から岩魚に急遽変更することとかもありなんですか?

違うと思うなあ。急遽変更には、場所移動と両方の装備が必要で、これは結構大変なことではないかしら。さあ、o1211さんの解答を!

いやあ、難問ですな。本編にて。やっと脱稿しました。
脳が野生化してきましたね。すぎちゃんよりはワイルドだと思うぞ!

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