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2012年6月 1日 (金)

三匹のおっさん

「三匹のおっさん」、有川浩の小説。
まわし読みの会、新刊の「三匹のおっさんふたたび」を読む前に、
「シリーズとっぱじめを読め。」
との姉御のご託宣があり、読了。

得意の連作オムニバス。
キャラ立ちさせ、読みきり短編で全体像という、ちょ っと映画的というよりTVドラマ的であり、毒気を薄めた感じでシリーズ化されるかもね。

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設定がいいなあ。
60歳を超えて、セミリタイヤした感じの3人の幼馴染のおっさんが、近所で起こる見逃せない現代的小悪事を、得意の剣道、柔道、武器の発明によって未然に防ぎ、また解決していくというセンスあふれる勧善懲悪的時代劇置き換え版現代ストーリーといったところか。
現代の日常のおっさんが主人公という小説は、ないなあ。また、挿絵抜群!
ある種のファンタジーであるが、俺もこんなおっさんになりたいね。じじいじゃねえぜ!おっさんだぜ!
あい変わらず読後感は、さわやかである。
でも、小悪事が出てくるので、目線が辛らつである。
なんか、この正義感、倫理観と毒気、有吉佐和子を若干感じた。
ゲーセンのかつあげ、小動物いじめ、結婚詐欺、いんちき商法・・・ため息が出るほど情けないが、拝金主義と自己中心主義、まあ日本を覆う暗雲のようですな。
そこを職人気質のいまや絶滅危惧種となった、真っ当な市民であるおっさんが快刀乱麻に解決していくのだから、カタルシスがあるある。
児玉清氏が大絶賛するのもわかるなあ。
児玉氏は、結婚詐欺の話でのシゲの度量の描き方に感心しきりだったが、俺は、ゲーセンかつあげの話にすべてがあると感じて、完成度を見た。第1話にすべての本質が出る。
で、今、続編の「三匹のおっさんふたたび」、まわし読みの会で回覧中。面白いよ。
TV化されたら、キャストは誰がいいか?
なんか、決まるおじさんが出てこない。

ゲーセンに再雇用の剣道の先生キヨ、息子にマスターを譲った柔道家の居酒屋店主シゲ、ヒロイン早苗の父で相方に先立たれた発明家の町工場の社長、ノリ。

この3人のキャラクターは誰がいいか?
ふと、志村喬、加藤大介、宮口精二が出てきた。古いね。皆故人。7人の侍だ。
そこまでさかのぼらなければならないか・・・高倉健、前田吟、蟹江敬三なんてのはどうか?
これも古い。

こうなりゃ、中井貴一、時任三郎、柳沢慎吾の不ぞろいの林檎たちではどうか・・・

うひゃ、だめだこりゃ。

でも、これが日本の現状か・・・正義のおっさんは絶滅したか・・・おっさんは今の日本の体たらくの片棒担いできたからなあ・・・

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コメント

将来のo1211さんを見てるようじゃないですか。
でも、今の世の中あまりにも見て見ぬ振りが多すぎる。
首つっこんだり深追いして致命傷を被るリスクが高すぎるからなぁ・・。

ファンタジーですね。でもわかる。
この作家、筆力あるわ。

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