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2012年1月 2日 (月)

中国怪異譚

ウニタ書店へ久しぶりに行ってきたぞ。健在だった。相変わらず、社会科学系の本の在庫は豊富だったし、当然かもしれないけれど、原発関係の本が増えてたなあ。ちくさ正文館とともに、立ち読みツアーの恒例ポイントだった。俺、今池という町が好きなんだ。住んでたし。

つい本を買ってしまった。

「聊斎志異」を読みたいと思っていたのだ。中国版の大昔の都市伝説みたいなもので、けったいな話が多いのだが、風雪に耐えた怪異譚というものには、ちょっと枯れた味わいがあるなあ。

短編ばかりなのでどこから読んでもいいしね。

自分が小学生だったころ、世界の様々な、ちょっと風変わりな物語を、取りまとめ、一冊にした児童書を読んだ記憶があって、その中にこの「聊斎志異」の一篇がはいっていたと思う。

ほかに、オスカーワイルドの「幸福の王子」とかシャミッソーの「影をなくした男」とかはいっていた記憶がある。ちょっと怖かった感覚が残っている。

どんな物語だったか、覚えていないのだが、記憶の奥をまさぐりながら、現代日本のこの状況下で、風変わりな物語に、この年齢の自分がどう感じるかを記してみる。

「耳中人」という話が、ちょっときた。

あまりに短くて、ふっとやり過ごしそうな話なのだが、ちょっとあらすじを記すと、

とある男が、なにかしようとすると、「おーい、会おうか?」と誰かに声をかけられる。周りを見てもだれもいない。不思議に思っていたのだが、あるとき、あまりにしつこいので、頭をがんとたたいたら、耳から鬼のような顔をした小人が飛び出してきた。ははん、こいつが犯人かと捕まえようとすると、悪態をつきながら逃げていってしまった。そうすると、その男も寝込んでしまいましたとさ…

という話なんだが、奇妙でしょ?

最近の脳科学に出てきそうな…。

人格の二面性や脳の作用による幻聴。異化された自分からも乖離することはできないという指摘。読み取りすぎは危険だなと思うが、示唆的である。

作者の蒲松齢も、遠野物語の柳田国男みたいに、フォークロアの収集という体裁をとっているので、なかなか真意はつかみにくいのだが、精神病理学も脳科学もない時代の、心の問題の向き合い方やその対処法、また、その精度の高さをちょっと感じるのだ。

きっと、とっつかまえて、諭して、元の耳に戻すと、二度と声はしなくなりましたとさ。が正しいと思う…。

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コメント

怪談はワクワクするねぇ。
大人になっても読みたいと思えるのは心が荒んでいない証拠。
確かにラグビー、音楽、自転車、釣り・・。
純ですねぇ。

だんだんひねたガキみたいになってきましたね。
確かに怪談読んで喜んでいるようじゃ、大人じゃないかもね。
隣の姐御が渡辺淳一貸してくれましたが、怖くて読めません。

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