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2012年1月15日 (日)

「シャーロックホームズの思い出」の思い出

シャーロックホームズ、こんなページがありました。

コンプリート・シャーロックホームズ

シャーロッキアンは世界中にいるなあ。

映画もいろいろリメイクされて、最近はマッチョなホームズといった体かな。

俺にとっては、映像はジェレミーブレットのホームズ物がベストであり、後は・・・

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ところで、開高健のベトナム戦記物のルポを読むと、最前線の極度の緊張感とじりじりとした恐怖感がよく伝わってくるのだが、その中に、寝付かれない熱帯夜の白想をうっちゃるために、百人一首を繰り返しめくり、読み上げる件が出てくる。われわれには、その心境は想像するしかないし、自らに置き換えると違う書物になるのかもしれないが、百人一首、非常に説得力を持つ。やはりと思わせるものはある。

そして、もうひとつが、ホームズ物なのだ。

開高健氏は書物の渉猟具合からいって、もはや書痴というべき人であり、職業が小説家ということもあり、古今の推理小説をあたり、プロット、キャラクター、文体などことごとく諳んずるほどの読み手なのだが、この戦場の最前線においては、ホームズ物が一番ということになると繰り返し書きしるしている。

古典であり、あらゆる手法のエッセンスが詰まっており、俺が思うに、一つ一つの件に影響を受けた書物を思い浮かべることができて、広大無辺な自らの記憶の領域を遊べるからなのではないかと思う。Roots and Fruits的全体像である。

ホームズとワトソンのコンビ。

主人公と語り部。「白鯨」のエイハブ船長とスターバック。「三つ目がとおる」の写楽泡介と和登さん。まんまですなあ。スターウォーズのC3POR2D2。名コンビはいっぱいあるなあ。

クライアントへの観察眼。

唯一無二ですな。この手法は。作者の大学の先生の行動がまさにこうだったらしい。生徒が教室に入ったとたん、状況を言い当てるといった・・・今の人たちは「名探偵コナン」を思い出すのかな。ディティールはまったくホームズものだよ。

モリアーティ教授

マッドサイエンティスト。天才的凶悪犯という見事な造形。「羊たちの沈黙」のハンニバル教授にまでも響いている。

ベーカー街

世紀末の大都市ロンドンの気配がぶんぶんしてくる。そして、この事務所の部屋のたたずまいは、男の考える最高の隠れ家である。これも現代に引き続く原形である。

また、ダシールハメットやレイモンドチャンドラーの、ハードボイルド路線の探偵のたたずまいは、このホームズのエッセンスを拡張したものに感じる。

日本で言うと、「傷だらけの天使」ショーケンと水谷豊。

とまあ、こんな感じで、その後続いた小説や映像の記憶がたくさん出てくるのだ。確かに時々読み返したくなる。

また、ほかにおもしろいものがある。パロディシリーズ。

ホームズには、名前だけが出でくる事件がたくさんあって、その事件をらしく描く人が世界にはいるんだよ。ジューントムスンなんかが代表で、コナンドイルが生き返ったのかと思うくらいよくできている。Homes_clonicle

また、シャーロッキアンの研究論文もおもしろい。日付なんかが合わないところがあるもんだから、ワトソンは3回結婚しただの、けがの位置が違うだの、なかなか高尚で奥深な遊びである。

それから、俺の個人的思い出は、小学校の頃、ポプラ社のホームズシリーズで読んでいたんだが、今から思うとこいつは、ちょっと挿絵がどうなの?という感じだった。翻訳文も含めて、妙にアメリカンなんだ。

やっぱり当時ハードボイルドが日本上陸したてで、そっちの影響を受けていたのかなあ。

よく覚えているのは、「恐怖の谷」「斑の紐」「青い紅玉」かなあ。

挿絵がアメコミ風だったし、乾いた文体の印象が残っている。

その後、文庫本を読んだり、原書をチラッと見たらまったく印象が違ってきて、当時の陰鬱な曇天の続くロンドンがとても重要なファクターであることを教えられた。

BBCが作製したジェレミーブレットのホームズは忠実に作ってあるねえ。もう少し若いといいのだけれど。

シャーロックホームズのことももっと語りたいね。

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コメント

o1211さんはものすごくたくさんの本を読んできたイメージがありますね。
途轍もない量の接してきた活字が裏打され、現在の独特の説得力に繋がってる気がします。

国語や社会の勉強なんかする必要無かったでしょう?

そうですか?確かに転校ばっかりしていたから本読んでる機会は多かったし、留年してたんで、図書館こもりきりの時もありましたね。
そういえば、国語や社会勉強した記憶はないなあ。
好きな作家シリーズ、行ってみようかなあ。
あと学説検証シリーズ。今西錦二の棲み分け論とか、マルクスの窮乏化論とか。
すいません。ちょっと嘘が入りました。
文庫のホームズもの、おもしろいよ。よんでみて!コナン読むならまずこっち!

シャーロック・ホームズから一章で「白鯨」、「三つ目がとおる」、スターウォーズのC3POとR2D2、「傷だらけの天使」、まで繋ぐんだから恐れ入りました。
陰鬱で曇天のロンドン=UKというより「イギリス」はメリーポピンズやハリー・ポッターでも重要なファクターだと思いますよ。

気候は人に大きく影響しますね。LAメタルの能天気さは晴ればかりで、でも水がある土地のものだし、UKロックの鬱屈はこの陰鬱な天気と切り離せない。
日本はイギリスに共通点ありだと思います。俺、ルパンよりホームズなんだよねえ。
ルパンにホームズが出てくる章があって、ホームズ完敗なんだが納得できん!
ああ、また、うるさくなってきました。。。

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