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2011年6月 8日 (水)

fathers & sons

清志郎氏をBossと呼ぶのには抵抗がある。上下関係は関係ないように思えるからである。ただし三宅伸治氏がそう呼ぶことに違和感はない。実際彼の運転手に雇用されていたからね。ものすごく影響を受けて、良好で濃密だったろう関係が今でも感じ取れる。歌もスタイルもかなり相違しているが、清志郎氏がバックステージから出てきそうで、そわそわしてしまう。

三宅氏も本当にブルースロック色が強かった。3コード、マイナーペンタトニック、アルバートコリンズのような外に出て行ってしまうパフォーマンス、Tボーンウォーカーのようなかつぎ弾き、すべて俺がやってみたいことでもある。

偉大なブルーズマンたちを見聞きしてしまうと、普通は自分のあまりの非才ぶりに落ち込んでしまうが、果敢にトライして、しかもかっこいい三宅氏を見て、大拍手だった。

マディウォータースとポールバターフィールドは本当に養子縁組をして親子関係になったらしい。(といっても届出なんかしてないと思うけど。)まさに父と息子だなあ。濃い血を受け継ぎ、子はまた独自に変化していく。

三宅氏は極東の孝行息子だなあ。ブルーズのむせ返るような濃い血も感じるし、清志郎氏の特有な疾走感や軽快さも感じるし、何より日本語の美しさを感じる。

「月がかっこいい」いい曲だった。

普通月がかっこいいって口にしない。月が三宅氏のモチーフに常にあるね。

俳諧叙情の世界にロック的言語が入り込み、響きがほんとにきれいだなあと思った。

俺がライブで歌ったit’s all rightという曲も三宅氏の訳だと思うが、ハウンドドッグテイラーのブルーズソングがこんなに奥深い日本語の歌に変化するなんて、おもしろいなあ。

わかってくれとはあんまり思わないけれど。

僕らは歳をとり

夢は枯野を駆け巡る

でもよ 今夜はまるで そこに月が降りてきそう

涙もこぼれずに

夢は枯野を駆け巡る

でもよ 泣き言だけは口に出さぬほうがいい

ため息 夜の沼

そこでまばたきするだろう

でもよ 夜が明けたら 汽笛の声もする

喜びすぎないで

悲しみすぎないで

いつも 身にふりかかるすべてを受け止めて

Alright!  Alright!   It’s alright

自分自身が半世紀も生きてしまい、いまだ迷い続けており、夢も忘れかけ、何事もなしきれず、深い諦観にとらわれるときがある。その感情の襞をすくいとり、迷いや諦めすらも月の光に浄化されて、すべて自分を肯定してくれているように感じてしまう。

いくつになっても歌は必要であり、その年代に応じた感じ方があるんだろうね。ロックスピリッツというイベントでスライドギターを弾きながら歌うには、アウェー感がすごくあったけれど、俺はやってみたかったんだ。

三宅氏には日本のロックが歩いてきた道、その果実を感じてしまった。

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